「仕事にいかなくてはならないのに、子どもが突然風邪を引いて熱を出してしまった。今日はどうしても会社に行かなければいけないのだけど、ほとんどの保育園では37.5℃以
の熱を出したお子様を預かってくれない。どこか熱を出した子どもを預かってくれるところはないか?」といった声をよくお聞きします。
しかしながら、厚生労働省 平成28年の統計資料では、全国の病児保育室施設の数は、2,226か所、全国の認可保育所数23,443か所に対し9.5%と圧倒的に少ないのが現状です。また受け入れ定員数も一施設当たり、3~4人の受け入れが精いっぱいの施設がほとんどです。大阪府でも2017年10月1日現在の病児保育施設は32カ所、堺市においても、5施設(定員28名)という現状です。
堺市の児童年齢別人口(堺市統計データ平成29年度版)では0歳児~4歳児まで児童 34,000人が堺市で生活されています。今後も少子高齢化社会を迎え女性の社会への参画にともない、増え続けていく共働き世帯数のニーズにこたえられていないのが現状です。
ではなぜ病児保育のニーズが高いにもかかわらず、病児保育分野への社会的取り組みが進まず、新規参入が果たせなかったのでしょうか。既存の医療施設併設型は病院や小児科クリニックがベースになって開設されるため、小児科医の方が眼の届くところにいらっしゃるので安全性に優れていると言えるでしょう。しかしながら、施設を持つことによる経済的負担や、利用者が無理なく来ることができる地域の範囲の問題、施設の広さにも制限があるため受け入れ可能な定員数にも限りがあるため、地域において感染症が流行った場合に対応できない等の問題もありました。訪問型の病児保育事業では、利用会員様のご自宅での保育になりますので、保育スタッフをしていただく方がいらっしゃれば、堺市の7区全域をカバーすることも可能になり、働くたくさんの保護者の子育て支援のニーズを満たすことができると考えています。
『子育てのまち堺』の実現のためにも、お子さまがお熱を出された時に、堺市民の方々に、訪問型病児保育事業、施設型病児保育事業の選択肢を持っていただき、私たちは、それぞれの事業の強み・弱みを十分理解したうえで、お子さまが安全・安心に保育できる環境を整えていきたいと考えています。